プロボクサーの強靭な背中をつくる「伸長反射」作用とは?


こんにちは!

エニタイムフィットネス雑司が谷店の杉野です。

 

11/7日に行われた井上VSドネアのWBSSバンダム級決勝戦に続いて、

日本時間の11/24日にはWBC世界ヘビー級戦があり、王者ワイルダーが挑戦者オルティスにKO勝ちと、迫力ある試合がニュースで話題になっていましたね。

 

ところで皆さんはリングで戦っているボクサーの背中に注目したことはありますか?

個人差はありますが、どの選手もキレのある強靭な背中が見て取れます。

 

 

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「プロボクサーだから、日々の激しいトレーニングで背中を鍛えているのは当然!」

という考えが思い浮かぶと思いますが、実はそうでもないんです。

ボクシングは「拳闘」と訳されるようにパンチを繰り出して戦う競技ですが、強いパンチを放つには下半身と体幹が何よりも重要で、そこまで集中的に背中を鍛えることはないのです。

 

では「何故ボクサーはあれだけ強靭な背中をしているのか?」という疑問ですが、ここでキーワードとなるのが、「伸長反射」という筋肉の機能です。

「伸長反射」とは、身体が激しい動きをする中で「急に伸ばされた筋肉が、反射的に縮まることで筋肉の損傷を防ぐ」働きのことです。説明だけでは分かりにくいので、ゴムバンドを例に置き換えてみます。ゴムバンドの端を手で掴んで引っ張ると、伸びると同時に縮む力がだんだん強くなり、十分に伸びきったところで手を放すと強い力で元の長さに戻ります。これが伸長反射の働きであり、ボクサーの強靭な背中の秘密です。

 

私も昔は打撃格闘技を習っていたのですが、パンチは放った直後に素早く拳を引いて戻すことが重要です。この「パンチを放つ⇔引いて戻す」という一連の動作の中で伸張反射が機能しているのです。パンチを放って腕が伸びきった瞬間、背筋はまさにゴムバンドが伸びきった状態と同じで、そこから背筋が元の長さに戻るために縮む(収縮する)力が発生するので、素早く拳を引き戻せるのです。このパンチを打つと同時に背筋が収縮する動作を、日々のトレーニングの中で繰り返し行うことで、ボクサーの強靭な背中が出来上がるのです。

 

「伸張反射」はボクシングの動き以外でも、球技や陸上競技など様々なスポーツの動作に見られますが、エニタイムで行うトレーニングの中でも有効です。一般的な筋力トレーニングを行ううえでは、「伸長反射=反動を使う」ことになりチーティング動作になりますが、筋肥大目的で行うトレーニングの最後の追い込みや運動能力向上を目的にしたメニューであれば十分に活かすことができます。

 

例えば3Fのフリーウェイトエリアで行うエクササイズを例にあげると、胸を鍛えるダンベルフライの動きや、ダンバルやシャフトを使って行う背中のローイング運動、もちろんデッドリフトやスクワット運動でも「伸長反射」を使って実践することが可能です。筋肉が伸びた状態で伸張反射の反発作用を利用してウェイトを挙上するという方法なので、高重量ではなく、10~15回程度持ちあがる重量設定が個人的には最適だと思います。これらのやり方が分からない、行ったことがないので試してみたいというかたは、お気軽にスタッフ常駐時間内にお声掛け下さい。